News & Columns

ニュース&コラム

2021年6月29日

若手社員への育成は【年次混合研修】で強化する

育成支援図鑑

 

キャリアコンサルタント&広報担当 鈴木さくらです。

 

「入社1~3年目の若手社員の育成に効果的な研修はなんですか?」

そんなご相談をいただきます。

人事担当者様は大変です。若手社員、中堅社員、管理職、それぞれの階層にて育成・定着を図るべく、既存のものに捉われず、常にアンテナを張らなくてはいけません。

今回は若手社員向けの研修を通した、効果的な育成方法についてお伝えしますね!

 

 


 

【こちらの記事は主に以下の方々を読者に想定しています】

▼若手社員のキャリアについて真剣に考えている研修担当者様

▼若手社員向けの新たなフォローアップ研修を探している研修担当者様

▼若手社員の育成を効果的に研修で行いたい研修担当者様

 


 

 

■年次で区切って研修をしていませんか?

 

 

(営業職の2年次&技術職の3年次混合のブラッシュアップ研修)

 

 

新入社員向けのフォローアップ研修、2-3年目の若手社員向けのブラッシュアップ研修。これらの研修を年次で区切っていませんか?

 

年次で区切ることで、その年次が持つ課題を解決するためのプログラムは作りやすいというメリットはあります。

 

ですが、1~2年目や2~3年目など、隣接する年次がもつ共通する課題もあります。それは「キャリアの振り返り」

 

日々目の前の仕事で忙しくしていると、自分自身を振り返るということはなかなかしづらいもの。それを研修で半ば強制的に立ち止まって振り返る時間を持つことで、一人では得られにくい「成長実感」を得ることができますよね。

 

とくに若手社員のフォローアップやブラッシュアップでキャリアを振り返らせてこれまでの軌跡を辿りながら棚卸をして、過去と現在の自分を確認しつつ、等身大の自分自身を認めながら足りないものを認識することは、年次で区切らなくてもいいわけでして。

 

人数が多いと年次で区切らざるを得ないこともありますが、年次混合研修のメリットは、実は様々あるんです。

 

 

■年次混合研修のメリット

 

 

(1年目と2年目の混合フォローアップ研修)

 

 

どんなメリットがあるか見てみましょう。

 

1)相互理解と自己理解が深まる

 

ある程度の規模感の組織では、同期だったらある程度はお互い知っている存在ですが、1年上や1年下となると、とたんに「顔は見たことあるけど、名前は何となく聞いたことがあるけど、話したことはない」という存在に。

 

それが研修で一緒のグループやペアになることで、関係性がぐっと近くなります。なぜならば、キャリアの振り返りは間違いなく、極めて個人的なストーリーに触れる時間だからです。

 

簡単なグループワークならば関係性はそこまでぐっと近くなりづらいものですが、とくにペアワークでお互いのキャリアを聴き合い、この人はどんな仕事をして、そのときどんなことを考え、想い、感じていたのか、モチベーションが下がった状態からどう這い上がれたのか、何がきっかけになって、誰に助けられたのか・・・などなど聴いていくと、そこには唯一無二のキャリアストーリーが繰り広げられるわけでして。それを共有したら、もうさっきまで全然知らなかった他人ではなくなります笑。

 

そんな近い存在になった先輩後輩は、今後どこで仕事で絡むかわかりませんが、仕事の協力関係が築きやすくなりますよね。

 

キャリアストーリーを通して、相互理解がもたらす大きなメリットです。

 

さらには、自己理解も深まります。

 

年次が違うと視点が異なるため、自分といい具合に比較しながら同期とは違う発想でキャリアストーリーについて質問をすることができます。それによって、質問された側はハッとして、自己探索をしながら答えることで内省が深まりますね。

 

内省の深まりは、そのまま自己理解を深化につながります。

 

 

2)後輩社員は心構えができ、先輩社員はさらなる自覚が芽生える

 

「同じ部署の先輩後輩ならば、近くにいるから1年後はイメージできるだろう」。

そう思われがちですが、心の葛藤や苦心までは外側からは見えないものです。

 

たとえば、同じ部署の先輩社員を後輩が見て、「プロジェクトがなんだか大変そうだな」とは思っても、なかなか踏み込んで聞けないものですよね。それをキャリアストーリーを聴いていくと、「あのときはこんな状況で、内心本当に大変だった。正直もう投げ出したいと思ったときに、○○マネージャーがこんな風に助けてくれて、あれは本当に助かった」というような内面を垣間見たり、知りえなかった上司の姿を知ることができます。

 

そんな先輩のリアルな姿を知って、「2年目って実際はこうなんだな」と明確なイメージを持つことができますね。

 

さらには、「2年目になってPJを任されたときには大変だと思うけど、その時は遠慮なく言ってね」と力強いエールをもらうことで後輩社員は次の年次への心構えができ、勇気づけられていきます。

 

先輩社員にとっては、自分の経験を整理でき、それを後輩社員に伝えることで、先輩社員としてのさらなる自覚が芽生えます。とくに3年目は「魔の3年目」ともいわれ、ともするとマンネリになることも。

 

ですが、研修で芽生えたその自覚は組織のなかでのメンバーシップを醸成させます。当事者意識を持って、若手社員同士で解決できることは若手社員に任せる環境を整えていけると、若手社員の強化が促進されますね。

 

 

3)仕事理解や会社理解が促進されて自分の仕事に活かせる

 

複数の部署に所属する若手社員同士が集まることで、他部署での仕事を理解することにつながります。

 

同じ部署同士の年次混合ではなく、他部署を含めた年次混合が一番の理想。

 

とくに後輩社員は他部署の先輩社員の業務内容や取り組む姿勢、仕事を通して困難な経験やよろこばしい経験を聴くことで、視野を少し広げて仕事や会社を理解することができるようになります。とくに1年目や2年目あたりは、まだまだ所属部署のなかでも自分が携わる仕事しか知らないという状態なので、他部署での仕事を理解することで、点と点がつながりやすくなります。

 

それを今の自分の仕事に少しでもつなげられたら、自分の仕事も別の側面から見ることができ、深みがもう一段階増しますよね。

 

 

■まとめ

 

とくに1~3年目の若手社員向けのフォローアップやブラッシュアップ研修には、年次混合をおすすめする理由をお伝えしました。

弊社でもこれまで年次混合の研修を実施してみて、想像以上の効果性を感じています。

秋以降に新入社員向けのフォローアップ研修をする企業様、ぜひ「年次混合」の視点を入れてみてくださいね。研修のご相談も随時受け付けていますので、お気軽にどうぞ!

 

(おしまい)