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良い組織の条件は【報連相の数が多く、質が高いこと】
採用から育成まで一気通貫でご支援する弊社では、先月新たに『クレド研修』をリリースしたばかり。
昨今の働き方の多様性に加え、新型コロナウィルスによってますます先行きが不透明となるなか、企業における方向性の統一が図りづらくなったことを鑑み、組織強化のために開発された研修です。
開発したのは、我が育成支援事業部 統括の細野和彦。今日は当研修で重視している【報連相】についての細野へのインタビューをお届けします。
【報連相】っていうと、新入社員が対象なんじゃないの?
と、思われるかもしれませんが、いやいやいや・・・!【報連相】は実に奥が深く、【報連相】が完璧にできている組織人はごくごく少数だと私は思っています。
新入社員もベテラン組織人も、【報連相】の奥深い世界へとお連れしますね!
■良い組織の条件は【報連相の数が多く、質が高いこと】
1)クレド研修では、単にクレドをつくるのではなく、「良い組織とは?良いリーダーとは?」を受講生に考えてもらう時間があります。なかでも「良い組織」の条件はいろいろありそうなのですが、研修では組織の規模に関わらず、良い組織の条件を【報連相の数が多く、質が高いこと】にしている理由は何ですか?
これまで研修を通じて良い組織も悪い組織も普通の組織も数々見てきました。そのなかで組織を測るバロメーターみたいなものは、3つあることに気づきました。
1つ目は、「ビジョンやミッションやバリューといった、その会社や組織の目指すべき方向性がきっちりと明確に示されているか」。2つ目は、「良好な人間関係が築けているか」。そして3つ目は、「成果が上がっているか」です。
これらの3つを向上させ、良い組織にするためにどうすればよいか?それをシンプルに突き詰めていくと、「報告・連絡・相談」の数が多い組織は、組織のなかでコミュニケーションが取れていることがわかりました。だからまずは良い組織・良いチームは?って言われると、報連相の「数」が多いこと。テキストも含めた会話のキャッチボールがしっかりされていて、数が多いということに気づきました。
次に、成果を上げようとした時に、何か共通したことはないかなと観察してみると、これもやはり報連相なんですよね。ここでの報連相は何なのかというと、「質」です。そうです、成果を上げるためには、高いレベルの報告・連絡・相談が必須。
営業を例に出すと、受注につなげるためには情報が必要なわけで、必要な情報となる報告・連絡・相談をしっかりされていること。あるいは業務改善であれば、改善につながるための報告・連絡・相談ができていることがわかってきました。
この報連相を端的に伝えようとしたときに、土台の人間関係が重要になってくる。日々を通して良好な人間関係が構築されていたら、報連相はしやすいですよね。逆に、良好ではない人間関係だったら、報連相に遅れが出たり、伝わりづらかったりして、滞る。
そう考えていった結果、「良い組織の条件は、報連相の数が多く、質が高い」と研修で伝えるようになりました。
クレド研修に関しては、ミッション・ビジョン・バリューのうちのバリューに近い「クレド」をみんなで作っていきます。研修のなかで、その会社のミッション・ビジョン・バリューがその組織に必要であることを伝えて、良い組織の条件を理解してもらったうえで、現場で活用できるクレドをみんなで作っていきましょうという方針で研修を行っています。
■組織の危機とは?
2)【報連相の数が多く、質が高いこと】として必要な3つのことのうち、「理念やビジョンの共有」を挙げていますが、理念やビジョンが共有されていないと、組織にどういった危機が訪れるのでしょうか?
これはもう、そもそも「組織にならない」という危機ですね。
たとえば、報連相の数が多く、質も高い。ただ、向かうべき方向性に若干のズレがあるぐらいのうちは、多様性というか、事業の幅が広がるということでプラスに転じることがあります。
角度で例えると、前進はしているけど、そのズレの幅 45°から60°位の幅で前進していれば、多少のズレはあるけど前は向いてるし、向かっている方向もだいたい一緒。これは範疇が広がったみたいな捉え方ができると思うんですね。ところが、このズレが例えば90°から120°になってくると、時間が経てば経つほど全く違う方向に進んでいて、その幅がどんどん広がって収拾つかない、という風になってしまいます。
じゃあこの幅をどのように定めるか?それが、ミッション・ビジョン・バリュー、あるいは理念です。
組織である以上、向かうべき方向性や方針が必要です。それがズレてしまうと、多様性や事業の幅ということに収まりきらず、組織に一体感が生まれず、方向性が異なり、組織がバラバラ…組織としてもはや成り立たないという危機が訪れると思っています。
■報連相には三種類ある
3)上記に付随して、「三種類の報連相を理解していること」を大切にしていますが、その三種類の報連相とは何でしょうか?
三種の報連相とは、報告・連絡・相談といったそれぞれのことではなく、 報連相をする「タイミング」を指しています。研修で受講者に報連相を伝えるとき、タイミングの視点から「ベストな報連相」「ベターな報連相」「ワーストな報連相」と3つお伝えしています。
1つ目はベストな報連相。これは誰しも経験があると思いますが、苦労して時間がかかっても上手くいったという成果を報告・連絡・相談するときの報連相がベストな報連相だと定義します。これはうれしいことですよね。ですが、仕事のなかで上手くいったという報連相ができることは、実際少ない。 きっと皆さんもそれを体験していると思います。
2つ目はベターな報連相。これは業務のなかでわからないことがあったり、うまくいかないことがあったり、自分だけでは解決できないことがあったり、そのようなときに「今、少しよろしいでしょうか?実はここで詰まっていまして」という報告・連絡・相談のことをベターな報連相と言います。上司に頼るとき、ほとんどこのベターな報連相なのではないでしょうか。
最後3つ目は、ワーストな報連相。これは、うまくいってないことを黙っていて、その結果、周りから「あの件どうなった?」とかお客様から「お願いした件、どうなっています?」と報連相すべきことに対して周りから指摘されて、「すみません、実は今こういう状態でうまくいってません」というのがワーストな報連相です。
研修のなかでもよくお伝えするのは、「社会人として周りから『あれどうなってるの?』って言わせてしまうとことは、すごく恥ずかしいことですよ」って。そう言われてから報告するってだめだよと、これはどこかで皆さんも聞いたことあると思うんですけど、実はこのワースト報連相の何が怖いかというと、この隠してたこと、要は言い出せなかったということが組織にどれだけの損害や信用を落とすことにつながるかという点、そしてそれを想像できていない点です。
今の時代一つのミスやエラーで案件が他社に流れたり、他の人にいってしまうことって、ありますよね。これだけサービスが充足して、VUCA時代って言われるように、サービスが多様化して何が正解かわからないなかでビジネスをしている皆さんにとっては、一つのミス、一つのエラーが企業の命取りになることは十分にあります。 報連相が一つ遅いだけでビジネスうまくいかなくなる、ということを起こさないために、この三種の報連相を理解して、ワーストな報連相をしないように徹底することが大事だと常々考えています。
■おわりに
この記事を読んで、「今、報連相すべき相手は誰だ?」と誰もが振返っていることと思います(もちろん私も)。報連相然り、ミッション・ビジョン・バリューも然り、組織の向かうべき方向性に一丸となって進むために、現場レベルで活用できるクレドをつくるそのプロセスが重要なのだなと改めて身に沁みます。
クレド研修の詳細はこちらをどうぞご覧ください。
(おしまい)