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「やりたいこと一神教」は根深いが、キャリアの8割は偶然によってもたらされる。
キャリアコンサルタントとして、私は毎年大学(都内と地方の大学)で就活支援をしています。これまで出会った学生はもう数えきれないほど。世の中の流れとともに、学生の傾向も少しずつ変わっていますが、同時に変わらない傾向もあります。
今回は「#ぶっちゃけ新卒採用」をコンセプトにただいま絶賛新卒採用中の弊社ROGCから、就活続行中の22年卒学生さん&これから本格的に就活が始まる23年卒学生さんに向けた、就活エールを込めた記事です。どうぞ!
■根強い「やりたいこと一神教」の圧力
大学でたくさんの学生の就活支援をしていると、毎年必ず出るフレーズのひとつが「やりたいことが決まってなくて・・・(困ってます、焦ってます、どうしたらいいのかわかりません)」というもの。だから「公務員を目指した方がいいのかなって・・・(けど、本当に公務員が向いているのかわからないし、たぶん向いてない。ていうかこんな気持ちで公務員を選ぶなんて公務員に失礼な気がする)」と続くこともあります。
根強いですね、「やりたいこと一神教」(と、私は呼んでいます)><
なんだろう、Twitterで意識高い系(もはや死語でしょうか)の人たちにクラクラしてしまったのか、あるいはやりたいことに向かって突き進んでいる友人知人の姿と自分を比べてしまったのか、とにかくこの「やりたいことを見つけて就活しよう。それが就活なんだ。で、やりたいことないの?」という空気感がまだまだ根強いことを感じます。
ですがこれはですね、実は今に始まったことではないことに気づきます。
その昔、遡ること保育園・幼稚園時代、「大きくなったら何になりたい?」と身近な大人に聞かれませんでしたか?
当時、とても優しい幼稚園の先生に恵まれていた私は、「ようちえんのせんせい」と答えた記憶が鮮明にありますが、振返ってみると、この質問の意図っていったい何だったんだろうと不思議に思います。いえ、そもそも明確な意図なんてなくて、挨拶の延長線上のように大人は気軽に聞いていたのでしょう。
ですが図らずも、いつしかそれは圧力に変化してしまいました。就活という、学生から社会人への切り替わりとなるトランジションにおいて。「やりたいことがなければダメなんだ」というプレッシャーに変わり、やりたいことがない学生を苦しめるようになりました。
根深い。実に根深いですね、やりたいこと一神教・・・
■キャリアの8割は偶然から
焦っていたり、不安に陥っている学生から「いまだにやりたいことがなくて・・・」という相談を受けるたび、私は「そんなの別にあってもなくてもどっちでもいいよ」と言っています(言葉はもっと慎重に選んで伝えますが笑)。
やりたいことがある人は、ラッキー!それに向かってどんどん突き進んで、自分の可能性を広げればいい。やりたいことのない人も、ラッキー!自分を活かせる場所で自分の良さを発揮して、自分の可能性に出会えばいい。
やりたいことはあってもいいし、なくてもいい。そこに正解なんてないのです。
キャリアの理論家、クランボルツの「計画された偶発性~Planned Happen Stance Theory~」は、キャリアにおける偶然の出来事の影響を軽視せず、むしろ積極的に取り組み、より良いキャリア形成に活用することを提唱した理論です。キャリアの8割は偶然によってもたらされる、というクランボルツの研究結果から生み出された理論として、多くの人に好まれる理論の一つです(私も大好き)。
この理論は、決定をするより未決定であることの方が予期せぬ出来事をうまく新たな学習へと結びつけることができるとされていて、未来は予測や計画通りに進まないものとして、それを学習の好機として捉えています。
その際に持ち合わせておくとよいものは、以下の5点。
①好奇心:新たな学習機会を模索すること
②持続性:うまくいかなくても諦めないこと
③楽観性:予期していたことと違う出来事でもプラスに捉え楽しむこと
④柔軟性:これまでの概念や新年に固執せず、状況や時代に合わせて考えを変えていくこと
⑤リスクテイキング/冒険心:結果が見えなくても行動を起こすこと
やりたいことがないからといって、受け身姿勢で待っているだけではもちろん自分自身は活かされません。丸腰ではなかなかうまくいきませんからね、何事も。上記の5点を持ちながら、積極的に偶然によってもたらされる出会いを通してキャリア形成できることが、大事なのですから。
■等身大の新入社員はこちら
営業職として今ではクライアント企業様からの厚い信頼も寄せられ、しっかりと予算達成できる頼もしい存在となりましたが、就活時、周りの人たちよりも就活を始めるのが遅かったことに対する焦りや、「自分が何をしたいのかよくわからない」漠然とした不安でいっぱいだった、弊社新入社員の宇野桃。
就活時には何を目指しているのかわからない状況のなかで、手探りの状態が続いていたときに出会ったのが、就職活動を支援するエージェントの方だったそう。その偶然の出会いによって、人材業界に初めて興味を持ち、ご縁があって入社しました。
宇野を見ていると、まさに上記の5点を持ち合わせながら「計画された偶発性~Planned Happen Stance Theory~」を体現しているように思います。
詳しくはこちら▼
「人との出会いを重ねることで道を切り開いてきた」ログシー新卒1年目社員が実感する”人材”が秘める可能性
※宇野はシルバニアファミリーが大好き(私も好きだった~!うさぎをせっせと集めていて、初代シルバニアハウスも持ってました笑)。
そんな宇野は入社1年目にして採用担当者(大手企業ではなかなかないですよね)。就活を継続してがんばっている22年卒学生さん、なにか響くものがあったら、ぜひ宇野に会いに来てくださいね。お待ちしています^^
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#ぶっちゃけ新卒採用。採用ページはこちらです。
(おしまい)